MainPage 〜きまぐれ ぷろぐらま語録〜
 

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キヤノンのインクカートリッジ訴訟。まだやってたんだ・・・
キヤノンのリサイクルカートリッジ訴訟って上告審やってたんだね。

で、先日、判決が出たんだけど、
前回、つまり2審は、知的財産高等裁判所だったわけだけど、
知的財産専門に設立された裁判所出した判決を
そうそう、最高裁が覆すことは出来ないだろうという大方の予想通り、
キヤノンの勝訴だったわけだ。

とりあえず、最高裁判所の判決文はまだ読んでないけど、
前回の、高裁判決の判決文は読んで、要点をまとめたものを
Webに一度掲載したことがあるので、
今回はそれを大幅に加筆修正してみました。

最高裁判決文はそのうち読んでみて面白かったら、
また掲載するかもね〜

ちなみに、自分は法律の専門家ではなく、ただの一般人なので、
まぁ、変なところは、あまりかみつかないでもらえると嬉しい。

んで、まず、重要な点だけど、今回の裁判の争点は
「リサイクルカートリッジそのものの是非が問われた裁判」ではなく
「リサイクル業者はインクの詰め直しをする課程でキヤノンの特許技術を使っている。
 つまり、特許製品を許諾をうけずに生産している。
点の訴訟。
これを取り違えると、不毛な議論を繰り広げることになるので気をつけよう。


この件について、リサイクル業者(正確には販売業者。リサイクルは海外の別の業者。)は、
「特許を使った商品を販売して一度消費者に渡ったばあい、
 最高裁判例で、特許は消尽(権利が効力を失うこと)したと見なされて、
 再販売では、特許を主張できないという、判断がある。」
という、BBS事件とかいう事件の判例を元に主張をしていたんだ。

んで、今回のインクカートリッジならば、
消費者に渡った時点で確かに、特許は消尽して居るんだども、
それを回収して、インクの詰め替えをする際に、
消耗した液漏れを防ぐ機構(※これが今回の争点の特許)を修復しているため、
特許製品の再生産をしていると言うことで特許侵害という判断だったわけだ。


とまぁ、そんなわけで、
別にリサイクルインクが違法だとかいう判断が出たわけではない。

ただ、ネットで繰り広げられている、
・リサイクルインクの方が環境に優しい
・リサイクルインクは性能が悪い
・インクの値段が高すぎ
等々も、一応、答弁されている。

以下、自分が2審判決時に2審の判決文を読んで書き下した内容。
おもしろおかしく書いているけれど、
実際の判決文は文章は硬いながらも、
もっと面白いから、暇な人は読んでみると良いかもしれないw


〜〜〜リサイクル主張編〜〜〜
リサイクル業者(以下、リ社)「キャノン(以下、キ社)はインクカートリッジを使いきりにして、勿体ない!
   だから、ウチはリサイクルをするんだ。
   特許のせいで環境保全が出来ないとは何事だ!」
キ社「カートリッジを確かに使いきりにしている。
   でも、下手にインクの詰め直しとかすると、
   その行程でも環境に悪影響が出る。
   なので、それよりは影響の少ないように、
   回収した物は燃料として使って、灰はセメントの材料にしているし、
   排ガスの粒子まで回収して環境に配慮してますが何か?」
裁判「リ社はインクを詰め直して居て確かにリサイクルだけど、
   リサイクル=環境に優しいとは限らない。
   現に、インクカートリッジの洗浄に大量の廃液出しているし、
   輸送で、化石燃料を大量に消費しているよね?」

〜〜〜廃液問題編〜〜〜〜〜
リ社「せ・・・洗浄しなくても済む方法もあるんだい」
裁判「でもやってないんだろ?」

〜〜〜性能問題編〜〜〜〜〜
キ社「リ社の製品は性能が悪い!」
リ社「そんなことはない」
裁判「確かに性能が悪いが、普通の人が見た目で分かる問題でもないね。」

〜〜〜ぼったくり問題編〜〜
リ社「カートリッジの製造原価なんて高々50円なのに、
   キ社は1000円前後で売っている。これは明らかにぼったくりだ。
   一般消費者に負担が行くシステムは良くない。」
キ社「今回争点になっている特許の研究費や、
   環境保全の研究費が上乗せされているのがそんなに悪いのか?
   つか、原価で販売したら、開発費がまったく回収できないのだが?」
裁判「リ社は研究もしないで800円前後で販売?
   しかも、既にカートリッジがある状態で。
   キ社より、もっとぼったくってないか?
   それに、特許技術を利用した商品は、
   価格の設定権は特許者にあるのは当たり前。」

〜〜〜独占禁止法問題編〜〜
リ社「インクカートリッジをウチが販売できないというのは、
   キヤノンが独占的に販売することだろ?
   それは独禁法違反じゃないのか?
裁判「いあ、特許技術を使っているのが問題なだけで、
   別に、リサイクルを禁止している訳じゃないのだよ。
   あと、独禁法っていうけど、特許技術の独占を禁止したら、
   特許の意味ないじゃん?」

とまぁ、こんな裁判でしたとさ・・・
00:29, Friday, Nov 09, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 携帯


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