最近、eneloop mobile boosterなる製品を買った。
5400mAhの高容量タイプの携帯USB電源ね。
ちなみに、Ahはアンペア時と読む単位で、電池などの容量を示す言葉。
5400mAの電流を流すと1時間で使い果たすって意味だ。
ところで、説明書を読んでいて気がついてしまったんだけど、
このアンペア時の単位は、性能の表記としてどうかと思う。
というのも、小学校か、中学校の理科を思い出すと、
電流はあくまで電気の流れる量であって、
それによって行える仕事の量とは違う。
電気で行う仕事の量はワット(W)という単位で、電圧×電流で表すことが出来る。
さらに、、1[W]の仕事を1時間やれば、
かけ算して1[Wh](ワット時)という単位になったりする。
このワット時が、いわゆる、電気エネルギーの量の単位だ。
つまり、いわゆるエネルギー量としての単位は[Ah]ではなく、[Wh]の方が正しいわけだ。
※家庭の電気料金も、使ったエネルギーで請求だから、当然、何[Wh]かで請求されているしね。
なので、先の5400[mAh]つまり、5.4[Ah]からワット時に換算してみる。
USBで給電できる電圧は5Vなので、5.4[Ah]×5[V]=27[Wh]となり、27ワット時となる。
・・・と思いたいが、実は違う。
実は、eneloop mobile boosterの取扱説明書を
よーく読んでみると、3.7V、5400mAhのリチウムイオン電池が搭載されていると明記されている。
つまり、ワット時換算は5.4[Ah]×3.7[V]=19.98[Wh]が正しい。
ここで、気がついたあなたは鋭い。
では、表記上10000[mAh]の製品があった場合、
eneloop mobile boosterと
どちらの方が性能が良いか?
もちろん、10000[mAh]の製品が、何[V]で、
このアンペア時なのかが分からなければ比較は出来ない。
たとえば、内蔵電池が1.2[V]だった場合、1.2[V]×10[Ah]=12[Wh]なので、
eneloop mobile boosterの方が
高性能と言えるわけだ。
まぁ、世の中の大多数のこの手の製品は、
3.7[V]ぐらいの充電池を使っているのだろうから、
アンペア時で比較することは出来なくもないけど、
気をつけないと、こんな落とし穴が待っているわけだ。
もっとも、SANYOはまだ良い方で、
何ボルトの時に何アンペア時の電池を搭載しているかを明記している。
大体、この手の商品には、
何ボルトの時にそのアンペア時なのかを書いてないので、
上記のようにいくらでもだませる。
こうやって、消費者はだまされていくんだろうなと。