昨日のつづき。

前回次の記事では、コンピューターのメインメモリーであるDRAMについて説明する。
と書いたが、コンピューターのメインメモリーはDRAMというメモリーを使っている。

DRAMというのは、Dynamic Random Access Memoryで、
つまり、動的なランダムアクセス可能なメモリーだ。

前回のSRAMの仕組みは、半導体のフリップフロップという、
半導体による状態記録回路を使ってデータの保持をしていた。
これにより、電源さえ入っていればデータは消えずに保持され続ける。
※もちろん、書き換えたら消えるが。

対するDRAMは、びっくりするかも知れないが、
電源を入れているだけではデータは消えてしまう。

というのも、DRAMの構造は、基本的にはコンデンサーだと思えばいい。
コンデンサーが分からない人には「小さい充電池」だと思おう。

DRAMが情報を記録するためには、このコンデンサーに電気を貯めて、
電気が溜まっていれば1。溜まってなかったら0としている。

ところで、「小さい充電池」と表現したが
充電池がそうであるように、満充電されるまでは、少し時間がかかる。
また、充電されている状態から放電させるにも、やはり、少し時間がかかってしまう。

時間がかかると言っても、数マイクロ秒といった単位だが、
大量のデータ処理をすると、その速度は無視できないほどの時間になる。

また、充電池でも同じなのだが、
コンデンサーは時間が経つと、自然に放電をしてしまう。

そのため、一定時間毎に、データが消える前に、読み出して、
再度書き込むという、リフレッシュという動作が必要なのがこのDRAMの特徴で、
このリフレッシュ中はデータの読み書きは出来ない。

これらの理由から、DRAMはSRAMよりも遅いメモリーと言える。

確かに、DRAMはSRAMよりも性能面では劣るかも知れないが、
では、なぜ、コンピューターのメインメモリーには、DRAMが使われているのだろうか?

答えは簡単だ。「安い」この一言に尽きる。

SRAMで1ビットの情報を保持するのに、トランジスタが6個必要なのに対して、
DRAMは、トランジスタ1個とコンデンサーだけで、事が足りる。

つまり、DRAMはSRAMよりは遅いが、
その分安く作れるというメリットがある。

そのため、パソコンのメインメモリーとして量産されているのである。