さらに、昨日の続き。

SRAM、DRAMと来たら、PROM系だよねー。

というわけで、昨日一昨日は、RAMの話をした。
RAMはデータを自由に書き込んだり読み出したりすることの出来るメモリーだけど、
電源が切れたりすると、データは消えてしまう記憶装置だ。

その対になるのがROM。
Read Only Memoryの略で、通常は読み出すことしかできないメモリーのことで、
普通は、マスクROM(工場で生産された時点で既に回路としてデータが保持されているROM)の事を思い浮かべる。

ただ、毎回、生産の度に回路を変えるのは大変なので、生まれたのが、今回の話題のPROM系のメモリー。

PROMは、Programmable ROMの略で、「書き込みが出来るROM」だ。
これには、いろんな方式があるけれど、
たとえば、電線が繋がっていれば1、繋がってなければ0とする回路があったとする。
工場出荷時には、全ての電線は繋がった状態で出荷されて、
データを記録したければ、「0にしたい電線に大電流を流して焼き切って」しまえば良い。
これにより、一度だけ書き込めるROMという物が出来るわけだ。

でも、世の中には、「滅多に書き換えないけど、でも書き換えたい」というニーズもある。
要は、ROMとRAMの中間に位置するニーズだ。

このニーズによって生まれたのがEPROM。
Erasable PROMの略で、消去可能なPROMだ。

もう、ここまで来ると、トランジスタ、とりわけ、
電界効果トランジスタ(FET)の原理から説明しないと、原理の説明が難しい。

でも、がんばって、たとえ話で簡単に説明してみるか・・・

まず箱と、その真横にある電線を思い浮かべよう。

この箱は、電気を貯めておくことが出来るのだけれど、
何処かの電線に繋がっているわけではない。(真横に電線はあるけど電気的には繋がってない)
ところが、この箱の真横にある電線に電流を流すと、
箱の中に電気が溜まっているかどうかで、電線の電流の流れ方が変ってくる。

まず、これで、データの読み出しが出来るわけだ。

じゃあ、どうやって箱の中に電気を貯めるかというと、
箱の真横の電線に、大電流を流すと、箱のカベを飛び越えて、箱の中に電気が溜まる。
※普通は電気を通さない空気も、雷のような大きな電気があると電気を流すこともあると思いねぇ。

さて、じゃあ、箱に溜まった電気を取り出すにはどうするか?というと、
さっきの箱(箱A)の隣に、もう一つ箱(箱B)があって、その箱Bをぶったたくと、
箱Aの電気が箱Bに移動するというイメージ。

あ~文章にするとワケがわからねぇ~
※でも、ソース・ドレイン・ゲート・浮遊ゲートなんて言っても、もっとワケが分からないだろうし・・・

ちなみに、初期のEPROMは箱Bをぶったたくというのは、紫外線照射のことを言って、
専用の紫外線蛍光灯の真下にEPROMを数時間放置することでデータを消していた。
※特に区別するときにはこのEPROMを「UV-EPROM」という。

最近のコンピューターで、EPROMを使うときは、EEPROM(Electrical EPROM)を使っていて、
「箱Bをぶったたく」というのは、電流を使っている。

ところで、電気が、箱のカベの飛び越えをすると書いたけど、
この、箱のカベの飛び越えをすると、実はカベが劣化してしまう。
そのため、EPROMはRAM等と違い、原理的な寿命がある。
大体、数百~1万回程度の書き換えで、データの書き換えが出来なくなってしまう。

また、EPROMと言えば、狭義には1ビット毎にデータの書き換えなどが出来る素子で、
データの書き換えも、読み出しも遅い素子だ。

そこで、登場するのがフラッシュメモリー。
データの記録を(ビット単位ではなく)複数ビットでまとめることで高速化し、
また、局所的な劣化が起きないように、
内部の記録域をまんべんなく使う用に制御したEEPROMのことを、特に「フラッシュメモリー」と呼ぶ。

というわけで、3日に分かって、駆け足で、
今のコンピューターを支えている3つの代表的なメモリーについての
簡単な説明おわりっ