食欲の秋ですね。どうもお久しぶりです。
2013年以降、忙しくてサイトの更新がままなっていませんが、
本日は久しぶりに、バーベキューなんぞをしました。

個人的に、料理というのは、科学だと思っているNiSiですが、
今回は、科学的に甘くなるはずの方法で焼き芋を作ったら、すこぶる甘かったので紹介。

ちなみに、知っている方にとっては当たり前のことを書きますのであしからず。

酵素パワーでサツマイモは甘くなる

知っている方にとっては常識ですが、
サツマイモを甘くするのはアミラーゼという酵素です。

この酵素が、サツマイモのデンプンをブドウ糖に変換(=糖化)します。
ということは、この酵素を最大限働かせれば、
サツマイモの中のデンプンがある限り、サツマイモは甘くなります。

天日干しで美味しくなーれ

酵素を働かせるには、適切な温度が必要です。
というのも、サツマイモの場合、
アミラーゼを最大限活発化するには約60度の温度ですが、
アミラーゼが破壊されるのは約70度。

アミラーゼが破壊されると温度を下げても糖化はされないので、
70度以上の温度にならないように、ゆっくりと焼く必要があります。

ですが、なかなかこれは難しいです。
ところで、60度というのは最適温度ですので、別に高めの温度ならば、
酵素はそれなりに活発に働きます。

そこで、前準備として、サツマイモを天日干しをお勧めします。

部屋の南の窓際に新聞紙などを敷いて、サツマイモを日光に当てる。
このとき、涼しい秋には、窓を開けない等の調整をして、
天日干しの最中に何度か触って、ほのかに暖かいならOK。
人の体温は36度ですので、ほのかに暖かく感じるならば40度程度になっています。
※42度~50度を超えると、タンパク質が変質する(=要は、芋が焼かれはじめた状態)ので日持ちしなくなるので注意。

40度ならば、そこそこ酵素が働くので、
1週間ほど天日干しをすれば、買った直後より確実に甘くなります。

焼くときは気化熱で温度を調整

ここまですれば、普通に焼いたりしても甘い筈ですが、
可能ならば、60度前後で焼きたいですね。

家庭ならば、蒸かし芋にするのが手っ取り早いですが、
アウトドアならば~たき火や、BBQで焼き芋をやる方には常識ですが~
濡らした新聞紙で巻いてから焼くというのが理にかなっています。

洗ったサツマイモを新聞紙1.5~2枚程度で包んで
それらの紙を、押せば滴る程度に十分濡らしたら、
最後にアルミホイルで完全に包み、火の中に投入。それだけです。

新聞紙のインクが気になるならば、キッチンペーパーで2重に包んで、
さらに、新聞紙1枚を巻く等でもok。

水分の十分含んだ紙は、直火をあてても、
気化熱で熱エネルギーを水蒸気と一緒に放出するので、
水分が蒸発しきらない限り、100度を超えることはありません。

そして、新聞1.5~2枚程度で巻いていれば、
アルミホイルの表面が100度でも、芋の温度は徐々に上がっていき、
70度以上になるまでに非常に時間がかかります。

その間に、アミラーゼに働いて貰おうという魂胆です。

火力にも依りますが、1~2時間で焼き上がりです。
明らかに中の芋が焦げている状況になっているわけじゃ無ければ、
気長にほったらかしておくのが吉です。

最後に

このように、酵素の働きをイメージしながら、
酵素の働きやすい温度を維持することで、芋が甘くならないはずがありません。

これで甘くならなければ、芋の品質が悪いです。

ちなみに、間違っても、電子レンジでチンしたり、
スライスした生芋を鉄板で焼いたりしてはいけません。
電子レンジは、物質中の水分子に直接エネルギーを与える装置なので、
回答モードなどを上手く使えば別ですが、普通に使うと、あっという間に70度を超えます。
BBQでよくやるようなスライスした芋を焼くのも、ここまでの説明でNGなのは分かると思います。

というわけで、Let’s食欲の秋。