TwitterでBluetooth製品の電源ラインにフェライトコアを入れたと書いたけど、
フェライトコアの働きをちゃんと理解している人はどれぐらい居るのだろう?と心配になってきたので記事を起こすことにした。
とはいえ、自分も、専門ではないので、フェライトコアの特性から、
どうすれば効果がでて、どうすれば危険かなどの
計算は専門外ではあるけど、いえることは、下手にフェライトコアを使うと、
発熱や発火の恐れがあるので気をつけましょう。
ということではある。
では、自分が今回やったフェライトコアを使ってノイズ対策というのは?
というのと併せて、フェライトコアの仕組みを説明してみようか。
フェライトコアでのノイズ対策の仕組みは、コイルのインピーダンス(抵抗)の計算式を思い出すと良い。
r=2πlf
2×円周率×コイルのインダクタンス×周波数=コイルのインピーダンスだ。
つまり、周波数が高ければ高いほど、抵抗になるというのがコイルの特性だね。
そのため、フェライトコアは、周波数が高い電気を除去する効果が期待できる。
フェライトコアの特性や、巻き方などによるけど、普通は、可聴周波数より遙かに上の周波数に効果がある。
とはいえ、周波数が低くて抵抗が少なくても、
高電圧などでは発熱するので、商用電源とかに安易に入れるのは避けた方が良い。
では、自分が行っている電源ラインとは何かというと、
自分は、USB電源、つまり、直流5Vの回路にコイルを入れたわけだ。
商用電源(要はコンセント)から5Vの直流を得るためには、大きく2つの方法がある。
俗に言うシリーズ電源か、スイッチング電源かだ。
シリーズ電源は、100V/50Hz等の交流商用電源を、トランスで数Vまで降圧し、ダイオードで整流。
この時点では、脈流という不安定な直流になっているけど、
それをコイルやキャパシタンス、レギュレータといった素子で直流に安定化させてやる。
わかりやすく言うと、たとえば、6~8Vぐらいをふらつくような不安定な直流を作り出して、
5Vを超えた部分をレギュレータという装置で熱として切り捨てる方式。
ノイズの少ない非常に安定した電源を得られる代わりに、大型になるのが玉に瑕だ。
大きくなる理由はさっきのコイルの公式にある。
トランスというのはコイルの塊だが、コイルは低周波(さっきの式のfが小さいと)には影響が少ないので、
コイル自体の機能(さっきの式で言うl。インダクタンス)を強化するために、何回もコイルを巻く必要がある。
そのため、装置が大きくなってしまうのだ。
一方のスイッチング電源は、交流商用電源を、まずは超高周波な交流に変換する。
これにより、コイルは非常に小さく出来るし、この交流に変えるときに、その波形をちょっといじってやれば、
出力の電力も調整できるため、レギュレータでの廃熱も少なくて済むので効率が良い。
デメリットとしては、高周波にすることで、ノイズが乗ることである。
いくらノイズ対策をしても、高周波の電気は、
ちょっとしたことでノイズとして電波としてまき散らすので
なかなか、押さえ込むことは難しい。
とうわけで、今回はUSB電源がBluetooth製品に入る前に
USB電源に乗っているノイズを除去する目的でフェライトコアを入れた。
一応、Bluetoothの転送エラーは格段に低減しているので、効果はあるのかな?
といった感じ。
ちなみに、いろんなサイトで、
・テレビの受信感度が良くなった!
・LANケーブルに入れて効果があった
・音がクリアになった
・彼女が出来た!(違
といったレビューを見かけるけど、
テレビは、VHFなら170MHz前後、地デジ移行後の現在、UHFなら470~700MHz、LANケーブルは250MHzと、
高周波だから逆に必要な信号まで減衰する、悪影響の方が強い気がするし、
音については、可聴域に効果が出るというは、結構眉唾だよなぁ・・・