※v1.03の測定結果はこちら:JOYSOUND DiVEのマイク遅延の測定4
というわけで、昨日の続き。
まずは昨日の記事の構成でPS3のシステム設定の周辺機器設定の画面で音を鳴らしてみた。
HDMI経由で出力した場合
結果がこちら:
まず、直接音(参考値)はあんまり意味のある値じゃない。
音源とスピーカーの距離が3.3mなので、
理論値としては9.7msのずれが生じる事を確認したかっただけの値。
※温度や湿度や空気の組成に左右されるから、あくまでも理論値。
んで、肝心のシステム経由後の音。
つまり、PS3のマイクの入力からスピーカー出力までにかかった時間。
これが82.6ミリ秒。
標準的な120Beat/Minの音楽ならば、付点32分音符(=93ms)の長さよりもちょっと短い時間遅延している。
※16分音符の3連符(=8分音符の3分の1)が83msなのでぴったり?
※ちょっとアップテンポな132bpmだとちょうど32分音符(=85ms)ぐらい
32分音符と言われて短いと思う人も居るかも知れないけど、これは遅い。
音楽として聞けば、多くの人がテンポがずれれていることに気がつくレベル。
※0.1秒弱のずれと言えば、遅いことが分かるかな?
このずれの原因は、3つある。
- マイクからPS3へ入力するときのアナログ→デジタル変換の遅延
- デジタルになった音をPS3が受け取ってから、処理をしてPS3が出力するまでの処理の遅延
- スピーカーに出力するときの遅延
最後の、スピーカーに出力するときの遅延とは、
HDMIで今回は出力しているけど、
モニターがこのHDMIの信号を受け取ってからアナログのスピーカー信号に戻すための時間だ。
光デジタル経由で出力した場合
というわけで、HDMIの遅延の要素を取り払うべく、
PS3からの出力を光デジタルに変換して、DSP-AX750経由で音を鳴らしてみた。
いや、光にしたら、光デジタルを
アナログに変換する遅延が生じるんだけど、HDMIよりはマシかなと。
図解すると、こう:
ちなみに、ヤマハのアンプDSP-AX750には音場設定(いわゆるエコー)があるけど、
それらの機能を全てをオフにする機能もAX750には搭載されているので、
今回は、そのモード(Pure Directモード)で試してみた。
76.2ミリ秒!
5ミリ秒ほどの改善が見られた。
公正を期すために5回の測定をしているけど、
この5回の測定を見ても、この5msは誤差ではなく、
明らかな違いとして出ていることが分かるかと。
というわけで、少なくともHDMI経由よりも、光デジタル経由の方が
ラグの少ないカラオケが楽しめることが分かった。
DIVEのプログラムは意外とがんばっている
そこで、次に、この光デジタル経由の構成のまま、
DIVEの設定画面での遅延を測定してみた。
その結果がこっち:
60.6ミリ秒!
意外にも、システム設定画面よりも、タイムラグが改善している。
しかも、15msほども。
巷でDIVEのソフトががんばってないという酷い言われようがしているけれど、
この数字を見る限り、PS3のシステム設定画面よりもがんばっているといえる。
しかも、エコーをかけて、PS3のシステム設定画面よりも反応が良いことになる。
それでも60msのずれか・・・
エコー無しだと気持ち改善?
じゃあ、エコーを外したらどうなるんだろう?
と思って計測した結果がこれ:
57.4ミリ秒!
一応、3.2ミリ秒改善している。
ただ、ここまで来ると誤差か、明らかな差なのかはちょっと悩ましい。
5回分の比較をすると、優位な差が出ているような気がしないでもない。
ここまで来ると、120bpmで32分音符(=63ms)ぐらいの長さか・・・長いな。
まとめ
本当は、マイク→USBの遅延や、
PS3からアナログ出力した場合の遅延も測定してみたかったけど、
接続をほいほい帰られる環境じゃないので、今回はパス。
追記:RCAでの測定をしました→該当記事はこちら。
というわけで、わかりきったことだけどまとめ。
採点などをせずに、歌唱中の自分の声とスピーカーからの声の遅延が気になるならば、
ミキサーとリバーブイフェクター(エコー)を買ってきて、
PS3とマイクの音を直接合成しましょう。
ちなみに、元DTMerな自分は、ミキサーやイフェクターは所有しているので、
その辺の設定も余裕です♪
どうしても採点したいならば、少なくともHDMIはやめて光デジタルにすること。
今回測定してないけど、もしかすると、アナログ出力だともう少し改善するかも?
といった感じでしょう。
自分は持ってないけど、値段とかから考えて、
イフェクター内蔵の↑のミキサーをカタログスペックだけでオススメしてみる。