昨日、眼鏡を買った記事を書いたけど、
そんな話題をしたら何故そんなに、眼鏡のレンズの値段が違うのか?
という話をされた。

まず、大きな違いは屈折率と素材。

視力が弱い人はそれだけ強く矯正しないといけないんだけど、
強く矯正するには、レンズの厚い部分と薄い部分の差を大きくしないといけない。
レンズの中央の暑さは大体どのレンズも同じなので、
結果としてレンズの周辺の厚みは増して、重くなるわけだ。

屈折率の高い素材を使えば、レンズの厚い部分と薄い部分の差を小さくすることが出来るので、
その分軽く仕上げることが出来る。

さらに、ガラスよりも軽い素材でレンズを作ればもっと軽くなる。

ところが、プラスチックなどで眼鏡を作ると、すぐに傷が付いてしまうので、
ハードコーティングをする必要が出てきて、またここで値段が上がるわけだ。

ところで、眼鏡のレンズは、ガラスなどの素材で出来ているわけだから、
窓ガラス同様、斜めに光が入ると、反射が起きる。
ちゃんとした平滑がされていないと、それが拡散してレンズ全体が光ってしまう。
そこで、反射を抑えたり、平滑度を上げるコーティングをする。
また、ここで値段が上がるわけだ。

さらに、眼鏡のレンズの値段を上げているのは非球面レンズ。

安物のレンズは大抵球面レンズ。ここで言う球面というのは、
漠然とした「丸い」という意味ではなく「真球面」のこと。
球面レンズは焦点が1カ所になる(実は違うけど)ため、ちゃんとした点から見る必要がある。
#だから、ちゃんとした眼鏡屋さんだと、視力測定などが一通り済んだら、目の中心位置の測定をする。

球面レンズだと、、顔を動かさずに視線だけを外に向けたりして、
レンズの中心以外を見ると、像が歪む事になる。

これを収差という。

車の運転とか、広い視野で物を捉えるときには、視界の端っこが歪むと気になるので、
そのための補正をしているのは、非球面レンズだ。

そういった、諸々の補正をしていくと、眼鏡のレンズは、我がが目を疑いたくなるほど高くなる。

さらに言うと、光の波長によって、屈折のしかたが変るんだけど、
その手の補正は、眼鏡ではあんまり聞いたことがない。
#カメラや望遠鏡ではその辺の補正レンズも入ってくる。

ちなみに、自分が持っている反射式天体望遠鏡は、
精密放物面の凹面鏡が主鏡。
精密球面の凹面鏡だと、焦点位置が微妙にずれるからだ。
※パラボラアンテナも、放物面。

閑話休題。というわけで、昨日買ったフレーム込み3900円の眼鏡は、
無料でできる範囲で良いレンズを使っているけど、球面レンズ。
これを、非球面レンズに変えるだけで、倍以上の値段になる。

いかにしても、光学機器という物は高い物である。