巷を騒がした大学設置の認可問題。

認可という方向で落ち着いて、ちょっと旬を過ぎた感があるけれどちょっと書いてみようか。

まず、大前提として、日本は法治国家なので、
全ての行いは、法に基づいて行われないといけない。
法というのは憲法を頂点として、六法はもちろん、施行規則なども法だ。

んで、今回の大学認可問題は「認可」と言うからには、
法に基づいた基準を満たしたことを、文字通り認めて貰う行為であり、
基準を満たしていれば、原則として行政は認可をしないといけない。
※つまり、許可とか、免許とは違う概念だ。

じゃあ、その基準というのは何かというと、私学法の三十一条をひもとけば分かる・・・けど、
二十五条参照とか、別途定める法律を参照とか、面倒なので、
文科省公式のQAを見るのが手っ取り早い。
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/gaiyou.htm
の↓これ。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2009/04/08/1222284_004.pdf(※PDF注意)

我が国では大学を設置するのに必要な最低の基準である「大学設置基準」等を設けており,基準に照らして教育課程や教員組織,施設・設備,財務状況などを審査し,問題が無ければ認可を行うこととなります。

つまり、建物や教員、資金が、教育を行うために必要なだけ揃っていることを審査し、問題がなければ認可をするわけです。

ところで、今回の大臣の、「認可するわけにはいかない」という発言について、理由はなんと言ったか?
新聞等の報道によれば、

「大学の乱立に歯止めをかけて、教育の質を向上させたい。それが私の真意だ」

だそうで。

ところが、先のQAを見てみれば、

Q6:大学を設置する地域や分野に制限はないのですか。
<略>
どのような分野・地域であっても,大学設置基準等の法令を満たしていれば設置することができる
<略>
全体として過剰を招かないためなどの理由から,医師・歯科医師・獣医師・船舶職員の4分野については,引き続き抑制することとなっています。

というわけで、四分野以外は、乱立を理由に不認可できないことになっています。

さらにいうと、今回、大臣はつげんでこんなのもあった:

「今の設置認可の仕組みでは新設は認められない」

冒頭にも書きましたが日本は「法治国家」です。

いくら、今の法が、時代にそぐわなくても、法に基づいて処理をしなければなりません。
そんなことは、社会かを勉強した小学生にだって分かることです。
※過去に、ダッカとか、カリキュラム問題とか、ちょくちょく日本政府はやっちゃってますが。

大学が乱立しているから歯止めを立てたいというのであれば、
まずは、立法府が法改正するのが筋であり、
行政府が独断で法律を無視することはあってはならないわけですが、
その辺、行政府のお偉いさんが分かってないのはどういうことなのだろうか?

まだまだ、言いたいことはあるけど、もう少し、政治家の皆さんは、
政治オタク、法律オタクになって欲しいなぁと思う今日この頃。

それにしても、受験生、受験生を持つ親御さんには
大変な苦労をしただろうなと同情します・・・